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起業する人も基本手当を受給できるようになりました。 (榊 裕葵/社労士)

   

みなさんこんにちは。今回は雇用保険の運用上の変化点についてです。

起業準備期間中も基本手当が受けられる

7月24日付の日経新聞の報道によると、厚生労働省は22日、創業の準備・検討をしている人に対し、雇用保険の基本手当(失業手当)を給付する通達を出しました。従来は、創業準備をしている人は実際に会社を設立する前の段階であっても、基本手当の支給対象にはなっていませんでした。

この通達の背景は、6月24日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」の中で、「ベンチャー・創業の加速化」の一環として、創業に伴う生活の不安定化の懸念を解消するため、求職活動中に創業の準備・検討を行う者に対する雇用保険給付の取扱いを明確化することを『速やかに実施』するとしていたことにあります。

条件は「求職活動」を並行して行うこと

大変素晴らしい試みではあるのですが、1点注意点があります。

それは、創業準備と並行して、求職活動を行わなければならないということです。

私は、会社を始めようとしている人が職探しというのもシックリこず、「創業準備」と「求職活動」は矛盾しているのではないかとハローワークに電話をして確認しました。

「求職活動」とは

その結果分かったことは、無制限に創業準備を基本手当の給付対象にしてしまうと不正受給の温床になりかねないので、「求職活動」という要件をつけているのだそうです。そして、この「求職活動」の位置づけとしては、「ハローワークから職業の紹介があった場合に応じられること」という解釈をしてほしいということです。

すなわち、独立開業が当然メインシナリオであるものの、まだ準備段階ということであれば100%独立開業ではないので、少しでも可能性があるならば、どこかの会社へ就職するという選択肢もありますよね、ということで、結果的に断るにしても、ハローワークに出頭したり、面接を受けに入ったりする余地を残していること、というのがハローワーク側が考えているイメージのようです。

例えば私のような社会保険労務士であれば、自ら所長として事務所を開設することがメインシナリオだが、修行をさせてくれる先生が見つかればその先生の事務所にお世話になることも考えている、という状況です。仮に十中八九、独立に傾いていたとしても、多少でも就職の可能性が残っているならば受給要件に当てはまるということです。

確かに、逃げ道を作って起業を目指すというのは、中途半端な印象を持たれるかもしれません。しかし、そのような選択肢を「頭の片隅」に置くだけで基本手当が受給できるならば、起業準備期間のキャッシュフローが大いに助かるはずです。とくに、退職してじっくりとビジネスプランを練りたいという場合は、今回の求職活動中の基本手当は効果的な話であると思います。

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