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【LAO起業講座 会計税務編②】忘れてはいけない法人設立時の届出書類(栗田倫也/税理士)

   

法人を設立するとすぐに営業活動に入ると思いますが、事務手続き上忘れてならないのが役所関係への提出書類です。そこで、今回は税務面から見た法人設立時に提出すべき、または、したほうがよい代表的な書類についてまとめてみます。

 

1.設立届

設立届は国や都道府県、市町村(以下「国や都道府県等」といいます。)に届け出る書類で、すべての法人に提出義務があります。法人は登記により設立されますが国や都道府県等はタイムリーにその設立情報を把握することはできません。そこで法人自身に設立したことを宣言させる届出です。その提出により、国や都道府県等で会社を管理する番号が付与され、時季に応じて必要な書類が届くことになります。

設立届の提出先は、・税務署 ・都道府県税事務所 ・市町村役場  の3か所です。

忘れやすいのが都道府県税事務所と市町村役場です。法人は国に対して法人税を納付するだけではなく、都道府県等に対しても地方税といわれる税金を納付しなければなりません。つまり、都道府県等でも法人を管理する必要があるため、この設立届の提出が義務付けられているのです。

設立届は設立から2か月以内に本店所在地を所轄する税務署、都道府県税事務所、市町村役場に登記事項全部証明書や定款などの写しを添付して提出しなければなりません。

2.青色申告承認申請書

青色申告承認申請書は提出しない理由を探すのが難しいほど、どの法人も提出している申請書です。提出義務はないのですが、この申請書を提出することで税務上の各種特典を適用することができますので、設立届と一緒に必ず提出することをお勧めいたします。主な特典として次のようなものがあります。

・欠損金の繰越(9年間)

・欠損金の繰戻還付

・30万円未満の減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(年間300万円を上限)

・各種特別償却、税額控除の規定の適用 など

※資本金や親会社の資本金の多寡により適用されない規定も一部あります。

 

 青色申告により申告する法人には、複式簿記により記帳し、帳簿を備え付けることが義務付けられます。税務調査の際に帳簿を提示できないときや、2期連続して確定申告書を期限内に提出しないときなど、一定の事由に該当すると青色申告が取り消されてしまいます。

この申請書の提出期限は、原則として、その適用を受けようとする事業年度開始の日の前日までです。例外として、設立第1期から適用を受けようとする場合は、提出期限は設立後3か月以内となります。ただし、その3か月以内に設立第1期が終了する場合にはその終了日の前日までとなりますので留意が必要です。

例えば、1月15日に法人を設立し3月31日を決算日とした場合、その設立1期目から青色申告の適用を受けたい場合の提出期限は、3か月後の4月14日ではなく、3月30日となります。3月31日に提出すると設立1期目は適用できず、設立2期目からの適用となります。また、4月1日以降に提出した場合には第3期からの適用となってしまいます。この点については会計税務編の3回目で詳細に説明いたします。

3.源泉所得税の納期の特例に関する申請書

法人は従業員に給与を支払うときや弁護士、税理士などに報酬を支払うときにはその金額に応じた所得税及び復興特別所得税を源泉徴収し翌月10日までに納付することが義務付けられています。ただし、従業員10人未満の法人の場合はこの申請書を提出することにより半年に一度の納付とすることが認められます。納付期限は以下のようになっています。この申請書も提出義務はありませんが、従業員が10人未満であればぜひ提出しておきたい書類です。

(納期の特例)

・1月から6月までの支払分:7月10日までに納付

・7月から12月までの支払分:翌年1月20日までに納付

なお、この納期の特例が認められているのは、給与、士業等への報酬に限られており、外交員報酬やホステスへの報酬については原則とおり翌月10日までに納付となっています。つまり、源泉徴収したものの全部が全部半年に1回の納付というわけではありませんので注意してください。

また、納期の特例を適用した場合、半年分の納付となることで1回あたりの納付額も多くなりますので、それを踏まえた資金繰りも必要となります。源泉所得税は1日でも納付が遅れると不納付加算税として日割りなしで5%(場合によっては10%。過去1年延滞がなければ免除)がかかり、さらに延滞税が納付日までの日割りでかかります。不要な支出を避けるためにも源泉所得税の未納には気を付けなければなりません。

まとめ

法人を設立すると思った以上に役所等への届出書類が多くあります。今回は税務面だけでしたが、これ以外にも社会保険関係などいろいろあります(後日人事編で解説があります)。法人を設立したら早めに事業に専念できるよう、こういった書類はすぐに提出してしまうことが大事です。遅れれば遅れるほど面倒になったり特典を受けられなかったりと、いいことは1つもありません。

 

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