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【LAO起業講座 会計税務編③】青色申告承認申請書の提出を忘れてしまった場合 (栗田倫也/税理士)

      2014/12/30

前回は法人設立時の税務署等への提出書類をご紹介しましたが、今回は、提出書類の中でも非常に重要な青色申告の承認申請書(以下「青色申請書」と言います。)の提出を失念してしまった場合について、青色申告の特典をなるべく早く適用できるようにする方法をご紹介します。

1.青色申請書の提出期限

前回のおさらいですが、青色申請書は、原則として適用を受けたい事業年度の開始の日の前日までに提出が必要です。ただし、法人の設立初年度から適用を受けたい場合には、設立日から3か月以内となり、その3か月の間に最初の決算日が来てしまう場合にはその決算日の前日までに提出が必要となります。税理士が関与していない場合、日々の会社経営に忙殺され、こういった届出の提出を失念てしまう場合があります。例えば、7月1日設立、10月 31日決算法人の場合、9月30日までに青色申請書を提出しておかないと、設立第1期の法人税の申告書は白色申告となり、損失が生じたとしても来期以降に繰り越せず切り捨てられてしまうなどの実害が生じます。さらに11月に入って青色申請書を提出していないと気付いた場合には、設立第2期も白色申告になってしまいます。第2期から青色申告とするためには、第1期の決算日まで、つまり10月31日までの提出が必要でした。

2.提出忘れの場合の緊急対策

上記のように11月に入って青色申請書の未提出に気付いた場合、青色申告の特典を受けられないことによる損失を最小限に留めるにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、会計期間を変更し決算日を11月中のいずれかの日としてその日までに青色申請書を提出することです。会計期間は登記事項でないため臨時株主総会での決議があれば変更できます。
例えば決算日を11月30日としたならば、第2期は11月1日から11月30日までの1か月間となり、12月1日から第3期がスタートすることになります。第1期と第2期は白色申告となってしまうのですが、11月30日までに青色申請書を提出すれば、第3期から青色申告が可能となるのです。

 

【定款変更しない場合】
第1期(X年7月1日~X年10月31日):白色申告
第2期(X年11月1日~X+1年10月31日):白色申告
第3期(X+1年11月1日~X+2年10月31日):青色申告

 

 

【定款変更する場合】
第1期(X年7月1日~X年10月31日):白色申告
第2期(X年11月1日~X年11月30日):白色申告
第3期(X年12月1日~X+1年11月30日):青色申告

 

この方法の場合、第2期をたったの1か月だけで確定申告をする必要があるため税理士に依頼すると少額とはいえ費用がかかる点です。しかし、損失の繰越ができないことによる将来の税負担などを考慮すれば安いものでしょう。

 

3.まとめ

税理士が関与することで、このような会計期間を変更する等のアイディアが出てくることは勿論ですが、そもそも青色申請書の提出忘れなどを防げるので、設立当初のこう いった事務手続きは税理士へアウトソースするなどして本業に注力していきましょう。なお、会計期間の変更が出来るのは法人だけで、個人事業主は出来ないのでご注意ください。

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