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【LAO起業講座 法務編⑤】 会社の名前をつけよう 商号と商標の話(竹井弘二/行政書士)

   

みなさんこんにちは。

会社を作るとなると、避けて通れないのは会社の名前の話です。

ところが会社の名前=商号の他に商標という制度があったりして、意外と難しい話が待っていたりします。

という訳で今日も丸尾太郎さんがやってまいりました。

会社の命名は起業者の特権?

丸尾さん「先生、こんにちは。今日も寒いですね。」

私「そうですね。(これ後で電子書籍にして売るんだから、あんまり季節感のある話をされると迷惑なんだけど)」

丸尾さん「何かいいました?まあいいや、株式会社設立の手続きは前回までで何となく分かってきました。設立手続きの中でお聞きしましたが、会社の名前(商号)を考えないといけないと思っているのです。」

「キラキラネームをつけると子供がいじめられるみたいに、会社の名前もキラキラネームは避けたほうがいいですよね。他に何かルールはありますか?」

私「キラキラネームについては法律上の問題はないのですが、むしろ商号については自由につけることができるというのが原則になっています。」

丸尾さん「ポータルサイトの運営をしようと思っているのですが、ヤフーとかライブドアってつけてもいいんですかね?」

私「いい質問ですね。商号については自由なのが原則ですが、原則に対する例外がいくつかあります。」

  • 同じ住所で同じ商号は使えません(かつては同一市町村で類似商号が使えなかったのですが、ずいぶん緩和されました)
  • 合名会社が株式会社を名乗るなど、他の会社組織と混同されるような商号は許されません。
  • 銀行は商号に「銀行」という文字を入れるなど、特別法にも例外があります。

「この辺りは当然といえば当然ですが、一番気をつけるべきは、会社法8条にある「何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。」というルールでしょう。他人の名声にタダ乗り(フリーライド)してはいけないわけです。」

「したがって、ポータルサイトの運営をしている会社がヤフーを名乗ることは、このルールに抵触するでしょう。」

丸尾さん「タダ乗りみたいなずるいことはしちゃいけないわけですね。自分の会社なのでよく考えて名前をつけます。」

商標って何?

丸尾さん「ところで、商号以外に商標っていうのがあると聞きました。その違いは何でしょうか?」

私「わざとらしいぐらいいい質問ですね。商標法によると

「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって、次に掲げるものをいう。

1.業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの

2.業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの

とされます。」

「商品やサービスの名称と考えるとわかりやすいでしょう。どのような商標が登録されているかは特許電子図書館で調べることができます。」

丸尾さん「使いたい商標が先に登録されているともう使えないんですね。。。」

私「そうとも限りません。既に登録されている商標と「同じ商品・サービスカテゴリー」において、「同じ商標・類似の商標」を用いることができないだけです。」

※カテゴリーについてはこちらをご参照下さい。

私「したがって、「ABC」という商標が石鹸で登録されていても、ビールの名称で使用する余地はあることになります。」

丸尾さん「結構悩ましいですね。」

私「さらに厄介なことに違う分類であっても広く知れ渡っている商標の場合に、その会社の商品や営業と混同を生じさせる場合には、不正競争防止法の適用を受け、使用差止請求や損害賠償請求を受ける余地もあるので注意が必要です。」

まとめると

私「会社の名前を決めるにあたって、他の会社が登録をしている商標を気にする必要はひとまずありません。ただ、会社の名前を商品名・サービス名としたい場合には他の会社の登録商標とのバッティングを気にする必要がある点には注意が必要です。」

丸尾さん「ありがとうございました。慎重に検討します。」

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