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【LAO起業講座 人事編⑥】 社員の採用面接を行う (榊 裕葵/社労士)

      2015/03/10

人事編⑤の記事では、社員の求人について解説をしました。

今回は、求人に対して応募があった場合、面接や採用を行う際に気をつけることや、良い人材を採用するためのコツなどをご説明できればと考えています。

履歴書

まずは履歴書による書類審査が第一段階です。

中身に入る前にまずは体裁から確認しましょう。写真は丁寧に貼られているかとか、折れ曲がったり汚れたりしていないかとか、「一事が万事」ではないですが、そういう細かいところにこそ人の性格というのは出るものです。

最近はパソコンで履歴書を作ることも違和感がなくなってきていますが、あえて「手書き」を指定するのも、応募者を見極めるためのひとつの手です。字にはその人の「人となり」が反映されますから、上手下手というよりも、丁寧に書こうと心がけているかとか、間違えたら修正液で消しているか、それとも書き直しているかとか、履歴書1枚から、その人の性格を推測することができます。

履歴書の内容で確認しておきたいのは、やはり職歴です。多くの社労士やコンサルタントもアドバイスをすると思いますが、短期間に転職を繰り返している人は、やはり要注意です。5年10年勤めて「新しいことにチャレンジしたくなった」というのならわかりますが、1年とか数ヶ月とかで職を変えるというのは、1つのことに集中できないとか、周囲とトラブルをおこしがちとか、何らかのネガティブ要素があるかもしれないと、決め付けまではしなくとも、注意はすべきでしょう。

それから、志望動機欄を見て、応募者は自社にどれくらい興味を持ってくれているのか、という程度を推測することができます。本当に自社のことに興味を持ってくれている人ならば、ホームページなどをきちんと読んでいて「現在御社が力を入れている◎◎事業の発展に貢献したい」とか、具体性を持った志望動機を書いてくるのに対し、どこでもいいから内定がほしいとか、給料だけで選んでいるとか、そういった人の場合は「将来性のある御社で頑張りたい」といったような、通り一辺倒の志望動機になりがちです。

また、「趣味」の欄でも色々と推測ができます。たとえば、趣味にマラソンとか水泳とあれば、運動をしっかりとやっていて健康状態も優れていそうなので、将来病気休職するリスクが低そうだとか、趣味が「海外旅行」とあると、有給休暇を積極的に申請するタイプの人かもしれないとか、その人が入社したとき、どんなタイプの社員になりそうかも、決め付けるわけではありませんが、ひとつの目安にはなるというわけです。

面接

面接時には、まずは時間通りに来るか、というところが第一のチェックポイントです。遅刻は問題外ですが、公共交通機関の遅れのような場合は、事前に連絡が入ったならば「気配りができる人」という意味では加点要素ですが、事情によっては「ギリギリで行動していてリスク管理が甘い」という原点要素もあると思います。既存の社員の中にも、朝余裕をもって出勤していて多少の電車の遅れでは遅刻しない人と、いつもギリギリで5分でも電車が遅れると「遅延証明書」を持ってくる人がいると思いますが、前者のほうが、会社としては信頼が置ける社員であるはずです。

逆に、早すぎるのも問題です。面接の15分とか20分前に会社に来ても、面接を担当する社員も別の仕事をしているわけですから、応募者があまりに早く到着しすぎてしまうと、その人の仕事を邪魔してしまうことにもなりかねないのです。だから、極端な言い方をすれば「遅刻さえしなければ、早すぎる分には問題ない」と考えている人は、他人への気配りや協調性で問題がある可能性が考えられます。

理想は、約束の時間の5分前から3分前くらいに来社をする人です。

こういう人は、余裕を持って会社の最寄り駅に到着し、会社の前のスタバでコーヒーを飲んで、ジャストな時間になったら会社へ向かう、というように、遅刻に対するリスク管理と、会社に対する配慮の両方ができる人です。

つぎに、服装です。男性も女性もベーシックなスーツスタイルであることがほとんどだと思うので、それはもちろん問題ありません。むしろ着目して頂きたいのは靴や小物です。いくらスーツがピシッとしていても靴がヨレヨレでは「目だ立たないところはおろそかにしてもいい」ということを意識的、無意識的に考えているかもしれません。また、年齢不相応な時計をしたり、高級すぎる鞄を持っている人も、協調性という意味では問題があるかもしれません。お客様や上司を「立てる」という意識が不足している可能性があります。

面接内容については、「うちで何をしたいか」ということよりも「過去の実績」を中心に話を聞いてみるのが良いと思います。将来のことは全て仮の話ですし、何とでもいえますから、やはり、動かざるものは、「過去の実績」なのです。中途採用の方であればとくに、「前職でなしとげたこと」はしっかりと聞いておきたいことです。ここで具体的な話がスラスラでてきて、突っ込んだ質問をしてもちゃんと答えが返ってきたら、本当に実績を積み上げてきた人なのだということがわかります。逆に、具体的な実績がない人は抽象的な話に終始しがちですし、「その成果の中であたなが担当したのはどの部分ですか」という質問に対しても言葉を濁してしまいます。

ですから、やはり「過去の実績」をスラスラ説明できる人が、実力を持った人であるという可能性が高いということがいえます。

それから、話す内容が簡潔かということや、質問に対する答えをしてくれているか、相手の目を見て話をしているか、といったようなところも大切なチェックポイントです。このあたりも、お客様への営業や、社内の調整業務におけるコミュニケーション能力にかかわってくる部分ですし、そう簡単にコミュニケーション能力がアップするわけではありませんから、即戦力を求める場合はとくに、コミュニケーション能力というには軽視してはならない要素なのです。

結び

我が国ではとくに「解雇規制」が厳しいですから、「人を採用する」ということは、本当に真剣勝負といっても過言ではないでしょう。

ですから、会社としては、同じ給料を払うからには少しでも自社に合った人、少しでも高いパフォーマンスを発揮してくれそうな人を採用することに全力を尽くさなければなりません。

そして、それを実現するためには、選考や面接を担当する人が、今回述べたことが全てではありませんが、応募者を見極めるためのノウハウを持てるかどうかが、採用の成否を大きく左右するのです。

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