起業家を応援するLAOアライアンス

起業家を応援するLAOアライアンス

【LAO起業講座 人事編⑦】 社員を社会保険・労働保険に加入させる (榊 裕葵/社労士)

   

今回の記事では、採用した社員をどのような場合、どのような公的保険に加入させなければならないのか、という説明をしていきたいと考えています。

労災保険

まず、会社は原則として雇用する全社員を労災保険に加入させなければなりません。週1回、3時間だけのアルバイトというような人であってもです。どんなに短時間労働者であっても、その就労時間中に運悪く労災事故が起こる可能性はありますので、労災保険法では全労働者を加入させるようにしているのです。

もっとも、労災保険の場合は、「事業所」単位で加入することになりますので、個人単位の加入手続きをしなくても、労災保険に加入している事業所で労災が発生したならば、そこに所属している社員は、労災保険からの給付を受けることができます。

雇用保険

次に、雇用保険ですが、

①週の労働時間が20時間以上

②31日以上継続雇用される見通し

という2つの条件を満たした場合、原則として雇用保険の被保険者になります。

雇用保険に加入するためには、労災保険とは異なり、個々の社員ごとにハローワークへ加入申請の手続が必要となります。

また、毎月の給料から、雇用保険料の本人負担分として、額面支給額の0.5%(一般の事業の場合)を天引きする形になります。

事業所への適用

なお、1人目の社員を雇入れた場合には、まずは会社自体が労働保険(労災保険+雇用保険)に加入する手続が必要になってきます。

労働基準監督署に「保険関係成立届」を、ハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」を提出することで、労働保険に加入をすることができます。

また、労働保険の保険料は見込みでその年の分を前払いするルールですので、「概算保険料申告書」という書式を別途、労働基準監督署へ提出し、概算保険料を前納することが必要となります。概算保険料と、実績として納めるべき保険料(確定保険料という)の差額は、毎年6月~7月に行われる「年度更新」で精算を行います。(同時に、新年度の概算保険料を前納する)

社会保険(健康保険+厚生年金)

事業主1人の会社でも社会保険への加入は必要ですが、社員を雇ったら、社員ももちろん社会保険へ加入させなければなりません。

社会保険加入の対象となる社員は、フルタイムで働く正社員はもちろんのこと、1日の労働時間がその事業所の正社員の4分の3以上かつ、1ヶ月の労働日数がその事業所の正社員の4分の3以上のパートやアルバイトも加入対象となります。

対象となる社員ごとに、社会保険に加入するための届出書を、事業所を管轄する年金事務所に提出する必要があります。

健康保険の保険証は、年金事務所で社会保険の加入手続きが済み次第、全国健康保険協会にも情報共有され、全国健康保険協会から保険証が送られてくる流れになります。

なお、保険料は、資格取得時等に決定された「等級」に基づいて毎月の給料から天引きし、会社が同額を拠出して、毎月納付をしていく形になります。

結び

労働保険や社会保険に正しく加入しなければ、労働基準監督署や年金事務所に調査を受けたとき遡って加入をしなければいけなくなったり、求人においても社会保険に入っていない事業所は就職希望者から避けられる傾向にあります。

是非、労働保険、社会保険には正しく加入しましょう。

 - Blog, 独立準備 ,

  関連記事

【LAO起業講座 人事編⑲】 年末調整 (榊 裕葵/社労士)

毎年この時期になると決まって言葉を聞く「年末調整」。 今回の記事では、この年末調 …

【LAO起業講座 法務編③】 株式会社を設立しよう その1 (竹井弘二/行政書士)

みなさんこんにちは。 起業講座法務編は 第1回【LAO起業講座 法務編①】 個人 …

【LAO起業講座 人事編④】 退職後の雇用保険 (榊 裕葵/社労士)

会社を退職して起業の準備をする期間の雇用保険からの給付について本稿では説明をした …

会社を辞めるときは住民税と社会保険に注意  榊 裕葵

独立することを決めたならば、どこかのタイミングで退職をしなければなりません。 そ …

会社設立時の役員報酬の決め方(栗田倫也/税理士)

役員報酬は自由に変更できない 会社設立直後は資金繰りの関係もあり、社長の給与(役 …

【LAO起業講座 人事編⑩】 年度更新・算定基礎届 (榊 裕葵/社労士)

今回の記事では、会社が年1回行わなければならない手続き「年度更新」および「算定基 …

【LAO起業講座 会計税務編⑧】役員報酬の決め方(栗田倫也/税理士)

役員報酬は自由に変更できない 会社設立直後は資金繰りの関係もあり、社長の給与(役 …

【LAO起業講座 事業戦略編⑥】 企業価値評価入門(竹井弘二/行政書士)

みなさん、こんにちは。 ビジネスを軌道に乗せるのは大変なことですが、軌道に乗った …

【LAO起業講座 人事編⑧】 法定3帳簿を整備する (榊 裕葵/社労士)

前回、従業員を採用したら、労働保険、社会保険に加入をさせなけばならない旨を説明し …

【LAO起業講座 会計税務編⑯】忘れてはいけない源泉所得税(栗田倫也/税理士)

おさらい 会計税務編②「忘れてはいけない法人設立時の届出書類」の中で「源泉所得税 …