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【LAO起業講座 人事編⑪】 未払い残業代のトラブル (榊 裕葵/社労士)

   

昨今、未払い残業代に関するトラブルが増えています。

我が国においてサービス残業は一種の文化とさえみなされていましたが、情報化社会による労働者の権利意識の高まりや、弁護士人口が増えたことによる訴訟の増加などで、未払い残業を放置することは、いつ訴訟が起こってもおかしくはない危険な状態だと言うことができます。

今回の記事では、未払い残業の予防と、訴訟が発生した場合(あるいは発生しそうな場合)の解決策について説明をします。

未払い残業訴訟の予防

未払い残業訴訟を防ぐためのもっとも効果的な手段は、もちろん残業代を正しく支払うことです。労働時間が1日8時間、1週40時間を超えたら残業代を支払うことが原則です。

しかしながら、人件費につかえる予算には限りがあるというのが少なからずの経営者の悩みどころだと思います。

もちろん、中長期的には業務効率を上げてサービス残業を発生させないようにすることが肝要なのですが、短期的には法律上のテクニックを駆使して、未払い残業の発生を抑えることが重要です。

ここでは1つ1つ詳しく説明はできませんが、基本給の内部に残業代が含まれているとして固定残業代制度を導入したり、事業場外のみなし労働時間制、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制を用いたりなど、合法的な形で残業代の発生をセーブすることができます。

また、残業は許可制にして、自己申告制でダラダラと残業をさせないことも、残業を抑えるためのポイントになってくるでしょう。

未払い残業訴訟が発生したら

まずは、過大な金額で訴えられている可能性がありますので、訴えられている金額が適正かどうかを確認しましょう。たとえば固定残業代制度で20時間までは基本給に含めて払っているのに、残業時間全部をマルマル請求してくるというようなケースもあります。

残業代を支払っていないことが事実であれば、訴訟を長期化させるメリットは会社にはないですし、タイムカードなどの証拠を押さえられている場合は会社に勝ち目はないので、早期和解を目指すのが望ましいです。

また、そもそも訴訟を提起される前に、従業員側との話し合いによって一定の金銭を解決金として支払い、事態を収束させることがさらに望ましい方策です。

不払い残業に関して従業員が訴訟に及びそうな雰囲気を察知したら、早めに弁護士や社会保険労務士に相談して、訴訟になる前の解決を図りましょう。

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