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【LAO起業講座 人事編⑬】 就業規則を作成する (榊 裕葵/社労士)

   

今回は就業規則について話を進めて参ります。

就業規則とは

就業規則とは、わかりやすい言葉で言えば、会社のルールブックです。

労働基準法においては、常時雇用する労働者が10名以上となった場合、就業規則を作成することを義務付けています。

多数の労働者を雇用するようになると、個別の雇用契約だけで人事労務を管理するのは難しくなっていますので、会社全体として適用される労働条件を明確にし、安定した職場環境を作るために、法は就業規則の作成を求めているのです。

具体的に就業規則に定めなければならない内容は次の通りとなっており、絶対的必要記載事項と、相対的必要記載事項に分かれていることにご注意下さい。

「絶対的必要記載事項」
就業規則に絶対記載しなければならない項目です。

・始業、終業の時刻
・休憩時間
・休日
・休暇(年次有給休暇、育児休暇など)
・交替勤務について
・賃金の決定方法、計算方法
・賃金の支払の方法
・賃金の締切日と支払の時期
・昇給について
・退職、解雇、定年の事由及び手続き

「相対的必要記載事項」

その会社がその項目について定めをする、あるいは慣習として実施している場合に限って、就業規則に記載しなければならない項目です。

・退職金が支払われる従業員の範囲
・退職金の決定方法、計算方法
・退職金の支払の方法
・退職金の支払の時期
・賞与について
・最低賃金額について
・臨時に支払われる賃金について
・労働者の負担となる食費、作業用品などについて
・安全・衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰及び制裁の種類、程度に関する事項
・その他労働者のすべてに適用される事項

10名未満の会社でも就業規則を作成すべきか

私は、社員の数が10名未満であっても就業規則を作成したほうが良いと考えています。

その理由は2つあります。

第1は、万一労働トラブルが発生した場合のリスク対策になるからです。

たとえば、問題社員を懲戒解雇したい場合であっても、就業規則に定めがなければ、懲戒解雇をすることはできないのです。懲戒解雇に限らず、社員に減給や出勤停止などのペナルティを課す場合、すべて就業規則に基づくことが必須なのです。

第2は、助成金の申請です。

非正規契約の従業員を正社員に転換したり、社員に一定の福利厚生制度を導入した場合など、国から助成金をもらえる制度がいくつかあります。

一定の条件を満たせば必ず受給できる助成金なので活用しない手はないのですが、その「一定の条件」の中に、「就業規則を作成していること」が条件として入っていることが多いのです。

ですから、いざ助成金をもらおうと思って就業規則をあわてて作ろうとしても、時間切れで手遅れになってしまったり、ということも考えられますので、是非とも早め早めに就業規則は整備しておくことをお勧めいたします。

 

 

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