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【LAO起業講座 会計税務編⑭】貸倒れの取り扱い(栗田倫也/税理士)

      2015/08/18

今回は貸倒れについてです。

貸倒れの要件

得意先の経営状況の悪化等により売掛金が長期間回収できなくなることがあります。何度督促しても払ってもらえないこともあります。

このような状況になると、売掛金の回収は不可能に近く売掛金の価値はないに等しくなります。そのため、会計上では貸倒れ処理をすることなりますが、法人税法では貸倒れ処理について非常に厳しく要件が定められており、その要件を充足していないと損失計上は認められませんので注意が必要となります。

その要件には次のようなものがあります。

  1. 会社更生法などの規定により債権が切り捨てられた場合
  2. 債権者集会などの協議で合理的な基準によって切り捨てられた場合
  3. 債務超過が長期間継続し、弁済を受けることが出来ない場合に書面で債務免除を明らかにした場合
  4. 債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかな場合
  5. 継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力が悪化したためその取引を停止した場合において取引停止の時と最終弁済の時の最も遅い時から1年以上経過したとき

1、2の場合にはそれらを証明する資料が残ると思いますので、税務上特段問題になることはありませんが、3以降については判断が難しい場合があります。

  • 債務超過が長期間継続していることをどのように知るのか?
  • 債務者の資産状況や支払能力をどのように知るのか?

これらは債務者に財務諸表を提示させたり、債務者の不動産の有無を調査したりするなどして把握するしかありません。そして、その状況を詳しく確認した根拠資料を揃えておくことが重要です。資料を揃えずに「感覚的にもう無理だから」という理由だけでの貸倒れ処理は認められません。認められなかった場合、得意先に対する寄附金とみなされ一定額しか費用にできず法人税が増加することになります。

 まとめ

営業活動は代金を回収して初めて完結するといいます。売るだけ売って回収がおぼつかないと資金繰りに多大な影響を及ぼしますので、得意先の与信管理、回収管理は慎重に行うことが大事なのです。

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