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【LAO起業講座 会計税務編⑱】年末調整と確定申告(栗田倫也/税理士)

      2015/11/10

その年の収入が給与だけの場合、一般的には会社が行なう年末調整だけで所得税、住民税についての申告手続きが完了します。ただし、ふるさと納税などの寄附をした場合や医療費が一定の額を超えている場合には確定申告をすることで所得税の還付が受けられます。

そこで今回は会社員の年末調整と確定申告について説明します。

1.年末調整

会社は毎月の給与や賞与からその支給額に応じた一定額の所得税を源泉徴収し税務署へ納付しています。つまり会社が会社員の代わりに納税していることになります。ただ、毎月徴収される所得税は概算額ですので1年間の収入に対して負担すべき所得税がいくらかなのかを確定させる必要があります。その確定させる作業を会社が行なうのが年末調整なのです。そして、年末調整の準備として、扶養控除等申告書(※)と生命保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書という書類を会社員に提出してもらいます。

※細かいことを言えば、この時期に提出する扶養控除等申告書は翌年の源泉徴収額の算定根拠とするため翌年1月1日時点の状況を記入する書類なので今年の年末調整には本来関係ありません。ただ、所得税の計算はその年の12月31日時点の家族構成や扶養状況に応じて行われるため翌年1月1日時点の情報が記載された翌年分の扶養控除等申告書を使って年末調整を行うケースが多いです。今年会社から配られる扶養控除等申告書は平成28年分となっておりマイナンバーの記入欄もあると思いますので確認してみてください。

 

扶養控除等申告書は配偶者や子供、扶養している両親などの情報を記入します。生命保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書は生命保険会社から届いている控除証明書の内容や配偶者の収入状況を記載します。これにより、所得税を計算するうえで控除できる金額を計算するのです。

これらの情報をもとに会社は各人のその年に負担すべき所得税額を確定させますが、確定税額と1年間概算額で源泉徴収してきた額と差額が生じてきます。その差額については12月か翌年1月の給与で精算されます。源泉徴収額が多ければ還付され、少なければ追加で徴収されます。会社は年末調整後に所得税額が記載された源泉徴収票を各人に渡しますが、併せて各人が居住する市区町村へも提出します。これにより翌年度の住民税が計算されることになります。

2.確定申告

確定申告をする人は、申告義務はないが申告してもいい人と申告義務があるので申告しなければならない人に分けられます。一般に給与収入だけの会社員であれば年末調整で年税額が確定しますので申告義務はありません。冒頭に記載した寄附金控除や医療費控除は年末調整では処理できませんのでこれらの控除を受けて還付を受けようとするには確定申告をする必要があるのですがこれは義務ではありません。なお、還付を受けるための申告は5年間認められていますので通常の会社員であれば来年3月15日までという申告期限を気にする必要はありません。

ところで、1年間の収入が給与だけであっても確定申告しなければならない人がいます。それは同時に2社以上から給与をもらっている人です。2社以上から給与をもらっている人はそのうち1社でしか年末調整ができないことになっています。年末調整はその1社からの給与が収入のすべてであるという前提で計算していますので、その他の会社からの給与収入は考慮していません。その他の会社では年末調整をしませんが毎月の給与で源泉徴収はされています。よって、全体の給与収入合計をもとに負担すべき所得税額を計算する必要があります。それを確定申告で行うのです。

3.まとめ

会社員は年末調整で手続きが完結するケースが多いため確定申告をしろと言われても馴染みが薄いため難しく感じると思います。税理士に依頼してもいいのですが、複数社からの給与や寄附金控除、医療費控除などであれば国税庁のHPで必要事項をガイダンスに従って入力するだけで申告書が簡単に作成できますのでチャレンジしてみるのもいいでしょう。

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