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会社を辞めるときは住民税と社会保険に注意  榊 裕葵

      2014/07/14

独立することを決めたならば、どこかのタイミングで退職をしなければなりません。

そのときに気をつけたいのは、住民税と社会保険です。思いもよらない負担になる可能性が高いので、退職後の資金計画にはしっかりと織り込んでおかなければなりません。

住民税

 

まず住民税に関してですが、所得税は当年度の所得に対して課されるのに対し、所得税は前年度の所得に対して課されることに注意が必要が必要です。去年までは大企業で高い給料をもらっていたが、独立した今年はほとんど収入がなさそうだ・・・、というような場合、負担が苦しくなる可能性が高いです。少ない今年度の収入の中からか、あるいは貯蓄を切り崩して、去年の高い給料に基づく水準の住民税を納めなければなりません。

住民税は、所得に関わりなく、課税所得の10%となります。具体的な金額は税理士さんに聞くか、昨年と所得が大きく変化をしていなければ自分の給与明細から引かれている住民税の額を確認することで、おおよその目安がつくはずです。

社会保険

 

社会保険に関しては、差し迫って問題になるのは医療保険です。会社に勤めていたときは健康保険に加入していましたが、退職後は国民健康保険へ切り替わることになります。国民健康保険に切り替えた場合、保険料は大きく跳ね上がります。これは、健康保険に時には会社が保険料の半額を負担してくれていたからです。退職後は、自分で100%の国民健康保険の保険料を納めなければならないので、保険料の負担が増えるという理屈です。

これを回避するには、配偶者の方がいて、仕事をお持ちだったら、配偶者の扶養に入るという方法があります。独立後の仕事が順調に進み、収入が増えてきたら扶養を外れなければなりませんが、まだ具体的な収入の目処が立っていない状況であるならば、差し当たっては扶養に入っておけば当面の国民健康保険料は支払わずに済みます。同様に、国民年金に関しても第3号被保険者という扱いになりますので、保険料は免除になります。

まだ若い方で親が現役で働いているならば、一時的に親の健康保険の扶養に戻るという方法も考えられます。

あとは、独立することを決めているのであれば、早く会社を設立して、自分の会社の社会保険に入ってしまうという方法もあります。雇用保険は社長や役員は加入できませんが、健康保険や厚生年金は、社長、役員も加入することができますので、役員報酬を少ない額にすれば社会保険料も安くなります。

結び

 

このように、退職直後から会社を軌道に乗せるまでの住民税や社会保険の問題は非常にデリケートで、資金繰りや日常生活にも大きな影響を及ぼします。独立計画を練る際は、ビジネスプランそのものだけではなく、住民税や社会保険についても充分に考慮をしてください。

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